よく父は独り言のように、スペイン人は親指の使い方がうまいんだよな、と言っていました。

そうです。スペイン人はとても上手いです。

テクニック的にもそれが出来る奏法ですし、何より立体的なことが好きな国民性で低音から高音の幅を広く立体的に尚かつ色彩豊かに音楽をとらえようとして、低音部を担当する親指のテクニックが磨かれていったのではないかと。
使い方は多岐多様にわたります。

特にイエペス先生は傑出されています。
彼の本棚には筋肉に関する本がズラッと並んでいてよく分かって、身体をつかってらっしゃいます。
レッスンに行くと先ず、新しい開発されたテクニックを披露して下さいます。私がひゃースゴイスゴイと感嘆すると、得意気な顔でどうだい!です。
何故こんな事になるかというと、彼の為に新しい作曲家が次々と新曲を捧げてくれる、然しとても弾くのに困難な事ばかり、必要に迫られての事です。

右小指を使って弾くのも
夏休み一か月かけて、他の指と同じよう弾けるようにしたのです。

アランフェスやビバルディの二楽章の音の美しさは正に親指の使い方の極地です。

次回は親指の基本的な話しをかきますね