YouTubeで、市川猿翁と香川照之のドキュメンタリーを観て、深く感動しました。
伝統ある歌舞伎の世界に、47才で初めて飛び込むことになった経緯を描いた作品です。
一から全て学ばなければならない、彼のひたむきな努力、
伝統ある家系を絶やさない決心、
父猿之助(猿翁)との、長い断絶の年月をこえ、再び結ばれた親子の絆。
ずっしりときました。

香川照之は人間としてなんて素敵な人!
何回も観たい実にドラマティックなドキュメンタリーです。



伝統を受け継ぐ。

この事は並大抵の事ではないと、ギターの世界にいても、強く実感しています。
両者がいかにこの事実を覚悟して受け渡しできるかというと、其れも難しい事がほとんど。

誰先生に習いましたと普通に言いますが、其れでは何を受け継ぎましたかというと、似ても似つかない演奏など、あやふやなことが多い。

私は伝統を伝えるという事を強く覚悟しています。
何故なら
良い奏法がなかった、つまり独学奏法で弾いていた日本のギタリスト達にしっかりと確立した奏法をスペインから持ち帰った、父の血の滲むような努力を無駄なものにしたくないのです。

勿論私もこの奏法が最良のものだと確信しているからなのですが〜。

いくら年齢を重ねても ギターを弾き続けられる、無理のない、奏法。
どんな難しい曲も基本で弾けてしまう、ことの有り難さ。

一番は矢張りいい音が出せる事。
などなど。

何か無理な弾き方をしたために、指を駄目にしたという話し聞くたびに、
あーあ、直してあげたいとつくづくおもいます!!!